あなどれない、ふくらはぎの「むくみ」
腎臓病や心不全の可能性も
小さな不調を見逃さない体の「パーツ別」セルフ診断術【下半身編】
体の「パーツ別」セルフ診断術【下半身編】
■腹部
胃腸の病気のサインは、
排泄物を観察するとわかることが多い
「空腹時に胃のあたり(みぞおち)が痛むのであれば胃潰瘍、満腹時ならば、胃炎の可能性があります」と森田さん。その他に大腸や小腸、そして膀胱がおさまっている腹部の異変は、痛みはもちろん、尿や便といった排泄物の状態で知ることができる。ただし、軟便や便秘などは食生活によっても起こるので、色なども含めて観察するようにしたい。
■下腿
ただの“むくみ”と侮らない。
何らかの血行障害が起きている
膝から下の下腿はよくむくみを発症する部位だ。「むくみは夕方から夜は誰でも発生しますが、朝になると消えることがほとんど。それが慢性的になると腎臓病や心不全のシグナルです。また、片側だけむくむようであれば、閉塞性動脈硬化症の可能性も考えられます」と森田さん。何らかの原因で血液の循環が悪くなっている結果だと覚えておこう。
■腰
腰痛の85%は筋力低下が原因。
しかし、ガンの転移も考えられる
腰の痛みの多くは、椎間板の問題や脊椎管狭窄症など、加齢や姿勢の悪さによって引き起こされる。その場合は時に外科的な治療が必要になる。「腰痛の約85%は、筋力低下によって起こります。ただし、がんの転移のケースもあり、それによって起きる痛みもあることは確かです」と森田さん。注意が必要だ。
■膝
原因の大半が膝関節の軟骨のすり減り。
だが、稀に骨肉腫も…
中高年の膝のレントゲン写真を見ると何らかの異常がある人が約2500万人おり、そのうち800万人が痛みを感じているという。「その原因の大半を占めるのが、膝関節の軟骨組織がすり減って起こる、変形性膝関節症です。加齢や肥満、運動不足による筋力低下などで起こります」と森田さん。ただ、稀に骨肉腫などによる痛みのこともある。
下半身の異常を見分けるポイント
①便の状態の確認は、腸内の病気を知るためのきっかけになる
②腎臓や膀胱の病気の兆候は、尿に現れることが多い
③膝から下に発生するむくみが慢性的になったら、腎臓病や心不全の可能性がある
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